感動の舞台ー演劇部ー

高校二年の修学旅行引率から戻った翌日曜日。演劇部が東京都の大会に出場するというので、楽しみに行ってきました。自作品の方が高く評価されることが多い中で本校は越智優作「見送る夏」で地区大会に臨みましたが、他の常連校を抑え見事に東京都の大会への切符を手にすることができたのです。これは生徒たちのこの作品にかける意気込みとチームワークの結集の成果に他ならず、誇らしく思います。

「見送る夏」は、高校生たちの夏休みの何気ない日々を描いています。ある生徒の家に仲間が集まり、テーブルを囲みながら、とりとめのない会話を交わす。宿題の教科書を開きはするもののやるでもなく、といった誰もが思い当たる夏休みの一幕なのです。これという山場もなく過ぎていく話であり、場面が変わることもありません。劇として観客を惹きつけるか否かは、まさにせりふの勝負であり、間の取り方、せりふがない時の演技にかかってきます。

私が感動したのは、役柄と生徒の個性がぴったり合致し、各自の持ち味をお互いに最大限に引き伸ばすことができた迫真の演技だったことです。部活の試合で燃え切れなかった自分、同じ男子に好意を抱いてしまっている複雑な思い、両親の離婚、不登校等々。青春の中でそれぞれの心に抱える光と影を不器用に表現し、互いを察しながら気遣う。そうやって新たな何かを感じ取り、見つけ出していく。思春期の自分探しの中で家族や仲間の大切さを感じながら成長していく登場人物の彼女たちと、生徒である彼女たちが重なり、笑いあり涙ありで、観た後には心がほっこり温まる思いがした舞台でした。

修学旅行を2日で切り上げ東京に戻り大会の日を迎えた演劇部の生徒たちにとって、大いなる実りの秋となった舞台であり、私にとっても忘れられない日となりました。

※写真は文化祭での舞台です。

ビブリオ・バトル~読書の秋です~

 木々の葉も色づき始めましたね。そして読書の秋本番です!図書教育が充実している本校ですが、読書週間にちなんでさまざまな図書活動を行っています。その中には生徒たちからの提案によるものも少なくありません。

そのひとつが先週から2週にわたって行った「ビブリオバトル」です。ご存知の方も多いと思いますが、ビブリオバトルは自分が読んでほしいと思った本について5分間で発表するというものです。「バトル」と名づけられているように、聞いている人は発表者の本紹介の中から最も読みたくなった本に投票して勝利本を決めるという戦いになります。発表者も自分以外の紹介本の中から選び投票することができます。発表者は、伝え方は自由ですが道具等は使いません。見せることができるのは本だけです。この夏東京都のビブリオバトルに出場したことがきっかけとなり、図書委員たちがその魅力を広げたいと考えたのです。

10月30日に行われた第2回目には私を含め教員3名も加わり、計6名の発表となりましたが、優勝したのは高校2年生が紹介した『人生を奮い立たせるアウトロー100の言葉』でした。

このビブリオバトルは、実際に経験してみるとひとりひとりの発表が実に興味深く、発表者と本の両方についてもっと知りたくなります。ですから発表後の質疑応答の時間には、自然に質問の手がたくさん上がります。気づくとあっという間に時間が過ぎてしまっていたという感で、充実したひと時となりました。

ビブリオバトルの魅力はたくさんあります。例えば、

①発表者は一度経験すると、緊張の垣根がぐっと下がり、もう一度やりたくなる(これは生徒の感想です)。
②自分のことばで熱き思いを語るので、聞く人の心に確かに、深く届く。
③聞く人には、本やテーマについて興味・視野を広げるきっかけになる。
④伝え方は千差万別、さまざまだということを実感でき、いわゆる「プレゼンテーション」のように準備万端でなくても伝えたいことがあれば、その人の人柄も含めひとりひとりの伝え方でいいんだと思える。
⑤本を通して発表者と参加者の相互理解が深まる。特に質疑応答が果たす役割が大きい。
⑥ひとりひとりの個性を認め合う土壌を培える。
⑦コミュニケーション力を高めることができる。

そんなわけで、みなさんもぜひご家族で、あるいは仲間同士で気軽に『ビブリオバトル』に挑戦してみてください。知らなかった本の世界、気づかなかったお互いのよさを発見するにちがいありません。